(KYONちゃん呟き) H20・11・17更新

八重山に吹く風(パート1)


八重山に吹く風は優しさと厳しさを伝える風だ。 多分、大昔から吹いている風と違わない風だ。(今年は、八重山に2か月滞在した。)

僕はやさしい気持ちにさせる風が吹く季節が好きだ。 10月後半と4月後半に吹く風は、八重山の優しさを感じさせる。 天気が悪ければ、寒かったり暑かったりすることもあるが、概ね良好という理解で大丈夫だと思う。 ダイビングは、微妙だが。

 

不思議なことに、八重山に吹く風は同じと思っていたら、微妙に違うようだ。 竹富島・黒島・パナリ・波照間島・宮古島(与那国島と小浜島には行ったことがない・宮古島は微妙だが)と西表・石垣島では多少違う感じがした。 滞在した場所のせいもあるが、山がある島と平坦(多少は起伏はある)の島の違いだ。 平坦な島は防風林があるものの平等に風が吹くが、山があると不平等になる。 まして、山があるということは、川があり、昔マラリヤが大発生し、昔、多くの尊い人命が失われたという現実もある。 ただし、山があるため降水量が多いというメリットもあるようだ。

 

竹富島に宿泊した時、宿泊した民宿に縁台があり11月前半だったが、八重山の優しの風に吹かれた。 心地よい海風が僕をくすぐるのだ。 思わず毎日吹かれていたいという衝動に駆られた。 部屋で寝ないで、縁台で寝てしまい、深夜頭の近くで何か気配がして、様子をうかがうと、猫が遊んでいた。(竹富島は、飼い猫が多い) 僕は猫好きなので、猫を観察していると、複数の猫がじゃれたり佇んだりしている。 多分、この縁台が遊び場になっているだろうなと推察できたが、その日は、僕のものとした。 その猫の中で、犬みたいに大きな猫がいた。 最初は犬と思っていたが、猫と一緒なので不思議だなと思っていたら、縁台に軽やかに飛び乗った。 その時点で猫とわかったわけだが、その大きさたるや、中型犬位の大きさがあった。 翌朝、民宿の人にその話をしたら、隣の家の猫だそうで、八重山の優しの風に吹かれて、何かに化かされているのかなんていう錯覚に陥ったような体験をした。 こんな体験したら、きっと八重山に移住したいと思う人もいると思うが、一年中八重山の優しの風は吹いていない。

 

波照間島は、かなり気に入っている島になる。 それは、自炊ができる民宿があるということだ。 民宿にはかなり宿泊しているが、夕食を美味いと思うことが少ないことだ。 理由は簡単で、冷えた揚げ物・チャンプ・焼き物と煮物は相当工夫をしていないとうまく感じるのは難しいし、日本酒でなくって泡盛を使っている点だ。 さしみも、トンボ(小さいマグロ)とイカとカツオの刺身が多いが、美味い種類ではないケースが多い。 値段を考えれば当たり前のことだが。 ここのところ、自炊できる民宿が僕の一番になっている。 石垣のマックスバリューで食材を買い込んでいくのだが、1週間単位でいくので結構な量になる。 島豆腐は、波照間生産の豆腐が気に入っている。

 

波照間にも風が吹いた。 公共事業という風だ。 土壌改良という名のもとに、海岸の生態系に変化があったようだ。 波照間のおじいいわく「土壌改良工事が始まる前は、海岸に行けばムラサキウニが沢山いて、156個拾って焼いて食べることが多かったが、今はいないんじゃ。ウニは、美味かったぞ」と愚痴をこぼしていたが、その表情に哀愁を感じた。 公共投資は、沖縄活性化の手段で必要不可欠だが、ちょっとさびしい話だ。

 

宮古島に吹く風は、沖縄本土復帰後に吹いた。物流という風だ。 今は、誰でも「お通り」とかいって酒宴を楽しんでいるが、「お通り」の起源は、昔宮古島は小作人と地主という世界があった。(多分、戦前はどこも一緒) その時代、地主さんが収穫終えた振る舞いとして、酒(泡盛)を小作人に振舞ったのが起源とされている。 池間島のお婆ちゃんが、「お通りなんていうのは、昔はなかった」と言っていたが、親が酒を振舞うのでなくで、皆で平等に金を出して飲みまくるなんてなかったいうことだったと最近知った。 本土復帰前は、物流が悪く、泡盛は1合単位の測り売りで、米も少なく、南瓜と芋ばかり食べていたのが現実らしい。 八重山には、南瓜芋嫌いの50代が多いいはずだ。

 

黒島にも風は、吹いた。 なんと島田伸介は、黒島に潜伏していたのだ。 ただ、髭をのばして、サングラス・帽子をかぶっていると気づかれなかったらしく、癒しの時間を過ごしたようだ。 毎晩かな? 父さん(民宿のオーナー)とゆんたくしている姿を想像すると、その民宿には、突風が吹いたに違いない。 あまり書くと問題があるので、黒島の伸介話はこのへんで・・・・

 

黒島には、野生の孔雀が群れをなしている。 以前、飼っていた孔雀が台風で小屋が壊れたために、逃げて野生化したそうだ。 孔雀の肉は癖があって美味くないので、誰も獲らないので、今では牛よりも多いかもしれないといわれるほどだ。 美味ければ、絶滅だよねと父さんがにっこりしながら言っていたのが、島に生きる人の本音か?!

 

石垣にも温暖化の風が吹いている。 去年は、サンゴの白化(パナリもそこそこやられたらしい)今年は、竹富島周辺の海水の透明度が悪いようで、大きい船を持っている石垣港あたりのダイビングショップは、黒島・パナリあたりまで来ているケースが多い。 水中の変化は、ダイバーの僕としては、さびしい話だが、先月行った西表(上原の北のバラス周辺)には、まだというか、元気なサンゴの群生が見られた。 多分、八重山で数本の指に入るレベルと思う。 ただ、サンゴが元気なところは、潮通しがいいところが多いので、潮の時間をちゃんと計算してダイビングするショップをお勧めする。

 

ダイビング業界にも風が吹いている。 まさに話題の不況の風だ。 フリーターの増加は、ダイビング業界の市場規模を減少させている。 ただ、定年退職後にダイビングを始めたダイバーが増えている。 企業戦士の時、休む暇なく働ていた時、夢見た水中世界への憧れを、豊富な退職金と毎日が日曜日の時間を使い実現させている世代だ。 ただ、それほど多くはないが、昔に比べたら圧倒的に多い。(数年前のリストラ嵐で、有給をダイビングで使い切っているダイバーは、リストラされているのかな? 多分?!) 某ダイビング雑誌が休刊したが、残る2つのうちどちらが残るかは、察しがつくが・・・・・  ダイビングショップもこの波を上手く乗り越えられるかは、オーナーの経営手段だろうが、経営規模は小さくならざるおえないのは、しかたのないところか。 この間まで、座間味を一押ししてきたが、サンゴの状態があまり良くないらしい。 商売にかまけて、環境問題に対応できなかったのか? 今後、八重山を押していこうと思う。 

 

まあ、島の話は書き始めるときりがなくなるので、パート1はこのへんでおわりとする。

 

注)宮古島は、八重山ではないが書きたい事があるのであえて書いている。


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